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“暴走”始めた民主党政権 [社会批評・評論]

 民主党政権が“暴走”し始めたらしい。元凶は、“老”財務相。久しぶりの現役復帰に、張り切ったはいいが、「予算を仕切るのは、旧大蔵の仕事。天下国家を描けるのは、俺たちしかいない」と、突っ走り始めた。これで、菅直人副首相の出番はなくなった。超ベテランの大蔵主計OBを引っ張りだした手前、いきなりストップをかけるわけにはいかない。仕方なく、様子を見ることにしたらしいが、すっかり、その気になった超ベテランは、亀井金融担当相の中小零細企業救済策にも、ストップをかけようとした。とにかく、この超ベテランの頭の中は、すっかり数十年前にタイムスリップしているから、選挙公約の象徴的な目玉であるはずの、生保母子加算を優先的に先行させる素振りもなく、格好つけて査定するかのように見えた。官房長官も、同じように舞い上がっているようだ。これも“目玉”の子供手当に「地方も負担しろ」と言い出したのだ。それも、わざわざ、記者会見を開いて「マニュフェストには、地方に負担させない、なんて書いてあるか」と、嘯いた。メディアの批判は、いち早いスタートで注目された運輸国土開発相に集中したが、ダムの即時中止は、私に言わせれば、当然すぎるほど当然である。ダムは、伝統的な裏金づくりの代表で、当初予算に関係なく、幾らでも増額できるのが、従来の政治システムの常識。地元の行政当局がしゃかりきになっているのは、予定が狂ったからで、テレビに映る彼らの姿や顔は、私から見れば、ザマミロなのだ。
 暴走と言えば、予算委員会が始まり、クレージーな部分が露呈してきた。例えば、沖縄の基地問題。海兵隊の普天間移転をめぐり、“閣内不一致”と揶揄されているが、沖縄の世論を気にして、この“不一致”だけを攻める自民党は迫力に欠けた。与党時代のように、「お前ら、いつから“反米、平和主義”に変わったんだ」と切り捨てるポーズが消えちゃった。逆に、こういうポーズを取ったのが外務大臣で、「共産党はいつも変わらない反米の方針だから、そういう無責任なことが言えるんだ」と、追及を交わそうとしたのだが、逆に、「マニュフェストと選挙演説やテレビ番組の発言と違うだろうが」と、突っ込まれてしまった。しかし、右手で引っぱたき、左手で頭を撫でるというのが、いまの共産党だから、この程度で迫力なし。私から見れば、せっかく、米軍基地と縁を切ったフィリピンなどの例を出したのだから、「じゃー、当時のフィリピン政府を初め、米軍基地をなくした国の政府は、みんな共産党だったんだな」「苦し紛れに、アホ言うんじゃねー。住民の立場で方針を決めるのが、民主党政権じゃなかったのか?フィリピンやガテマラと同じように」って攻めれば、格好よかったと思うのだが。しかし、昔から、共産党って、説得が大好きで、突き放しが下手なんだ。ボディーブローは、後から利いてくるのに、惜しかった。本質は、“いい政治”“ホメられる政治”をやりたいのが、いまの民主党政権なんだと思う。でも、これでは、すぐに行き詰まるだろう。
 “労働者福祉”って言ったら、自民党が大騒ぎするかもしれないが、“住民福祉”なら、文句はないだろう。つまり、内閣の明確なキャッチフレーズを作って、基地問題も思いやり予算の部分修正も、これで乗り切れば良い。事あるごとに、「自民公明政権は余りにも酷すぎたんだ」というフレーズをバラまけば、心ある国民は支持するだろう。問題は、閣僚の中には、自分たちは国民に託された“特別の内閣なんだ”という意識に欠けた人材がいることだ。
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