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新政権ファンは“全共闘”世代に誘導されるな!! [社会批評・評論]

 偽善メディアが、息を吹き返してきた。誘因は、新政権内の不統一や不手際、総理を補佐する官房長官の無能だと思うが、少し前まで「小沢を下ろせ」の合唱をしていた付和雷同の大衆が、「鳩山も悪い」に変わりつつあるというだけで、民主党政権の叩き甲斐が出てきたと安心したからだろう。かといって、本気で民主党政権を引きずり下ろそうという根性があるわけでもなく、頼りはどんな誘導にも、注文通りに答えを出してくれる団塊世代の男女がいるから、適当に提灯を付けておこうという魂胆なのだ。ただ、保守新党を狙う舛添が、そろそろ、蠢動する気配だから、民主党もそうのんびりしていられないだろう。前厚労相の舛添は、立場上、社会福祉に理解があるようだが、典型的な増税論者でブッシュ政権のウルトラ軍拡路線ファンで、小沢氏が実権を握る前の民主党に対して、「社共の平和主義を支持するのか?」などと牽制していた。しかも、舛添は東大全共闘の師匠格と言われた時期があり、メディアの全共闘世代が飛びつく可能性は十分だ。何といっても、民主党政権を叩けば、スポンサーの財界が歓迎してくれる。財界の忠犬ハチ公としては、これ以上の舞台はないわけ。しかし、最近の記者の能力、プライド、どれをとっても最低のクラスとしか思えない。例えば、取材相手がピント外れだと思う質問をして、指摘されても、「だから」とか言って、無理矢理、自分の能力の高さを、相手に認めさせようとして、見苦しい場面をテレビで最近見てしまった。無論、こういうのは女性記者に多いようだ。いまの報道が不満なのは、メディアが鳩山政権に抱く危機感や記者の問題意識が、全然伝わってこないこと。むしろ、そういうことよりも、情緒的な批判報道だけを先行させているように思える。
 鳩の兄ちゃんの政治資金問題も結構だが、ほかにも、報道すべきことはヤマほどあるだろう。例えば、一見、右翼風の男が元厚生官僚をテロった事件なんか、メディアの幹部が誰かの意を酌んで、報道統制しているとしか思えないんだ。愛するポチへの強い郷愁と愛情が、どうして官僚テロに向かうんだよ。行きすがりに見かけた野犬の捕獲員を殺すと言うのなら、まだ理解は出来るよ。しかし、あの元官僚は、年金担当で国会に喚問される予定だったというじゃねーの。昔なら、スクープ合戦で大騒ぎしているのに、全共闘世代が主導権を取ると、メディアは平和惚けになるんだ。何といっても、この連中は、70年闘争とか言って、東大の赤門に「造反有理」っていう毛沢東の“教え”を掲げたのだからな。世間では、70年の学生運動を、10年前の60年安保と混同し、団塊世代は意識して混同させる傾向にあるが、60年安保世代としては、冗談じゃないと思う。ハッキリ言って、60年のあれは、学生が前面に出た大人の社会運動だったのだ。だから、余談だが、こんどの選挙の結果で、密かに感動に耽ったのは、この世代ではないかと想像している。無論、数から言えば、民主の圧勝は団塊世代のお蔭だろうとは思う。しかし、典型的な付和雷同型の大衆である団塊世代が、新橋辺りでテレビのインタビューで答えているのを見ると、「構造的な不況と労働環境の不均衡を生んでいる原因は、あなたたちにもあるはずだ」と言いたくなる。若い派遣労働者のために、1時間の給料カンパや時限ストなど、社会的なアピールのできる立場に彼らはあるのに、まるで人ごとの政治オンチぶりだ。
 タコ部屋、無権利労働など、最近は、とっくに死語になっていた言葉が脳裏をかすめる。明治維新後、労働者の関心事は“8時間労働”の実現であったが、ロシア革命の影響を受け、ヨーロッパの労働運動を高揚させたこのスローガンに明治、大正、昭和初期の国家、資本主義は半狂乱で抵抗した。先進的な労働者や組合幹部が投獄され、同調する学者の論文までが投獄の対象となった。世界の趨勢でもあった“8時間労働”は“先進的”と言われた学者をも2分した。当時、“友愛”を掲げる労働運動もあったが、“8時間労働”を無視した。戦後、“アメリカさん”のお蔭で、“8時間労働”が実現したが、小泉、竹中路線がいとも簡単に、日本の労働者から“8時間労働”を奪った。民主党は“明治維新”だと胸を張っているが、“8時間労働”の復活と底辺労働者の奴隷状態には、目を瞑っている。私は、日本の労働運動を規定してしまったのが、戦前の“8時間労働”に対する態度だと思っているのだが、民主党はどんな回答を出す気なのだろうか。(2010.1.7)

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