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日本がベトナム戦争に巻き込まれなかった理由は? [社会批評・評論]

 現時点で、日本とアメリカの歴史を考えると、ぞっとさせられる事実がある。それは、原爆のことではない。戦後の、長い歴史の中では、まだ最近と言っていい出来事である。小泉前首相の下で、日本はイラクに“兵”を進めたが、もしベトナム戦争が同じ政権、同じ政治状況の中で起きたと想像すると、これはぞっとしないほうがおかしいだろう。もちろん、想像の範囲での話であるけれど、あの首相、あの世論の状況を考えると、分析しないわけにはいかないのだ。同じ時期に、日本から若者3人がイラクの子供たちへのボランティアを志願して旅立った。運悪く、彼らは間違ってゲリラに拘束されてしまったが、日本のメディアはこぞって、彼らを“国賊”扱いしたのである。もっとも、自衛隊のイラク“出兵”にケチがついては困ると思った小泉政権が、後ろで糸を引いていたのは明白だが、こんな騒ぎに一番冷静だったのはゲリラを含めたイラクの人たちだったようで、日本の3人は間もなく釈放された。その間に、政府与党関係者は税金を投入して3人を助ける素振りをし、事実、ゲリラとの交渉役を演じるイラク人も登場したが、これらの茶番に日本のメディアも便乗、協力した。当時、日本のメディアが中心的に報道しなければいけなかったのは、戦争で孤児になる子供たちへのボランティアがどうしてゲリラから襲われるのかという理不尽であったのに、日本の半分以上のメディアが3人の若者を責めたてる選択をしたのである。
 日本のメディアと政府与党が日本人若者を責めた目的は、明白である。イラクに対する日本“兵”の派遣に際し、逃げまどうイラクの孤児などというレポートをされては困るという大義名分こそが、日本が“参戦”する戦争の報道には不可欠だったということだ。そして、実は、あのベトナム戦争当時にも、フランスに成り代わってベトナム全土を支配下におくために、南ベトナムに傀儡政権を打ち立て、米軍主導の戦争を開始したアメリカへの批判報道を牽制する政府与党の姿があったのである。フランスがベトナムを占領していた当時の光景は、「アマン(愛人)」という映画でも垣間見えるが、フランスは当初、ベトナム全土を占領統治したが、ホーチミン率いるゲリラによって、北部だけが解放されたのだった。そして、国連監視下で17度線を暫定国境として北ベトナムの独立が、非公式に認知された。そして、この機に乗じて“アジアを共産主義から守る”という大義名分を打ち立てたアメリカが全面的に南部へ介入してきたのである。ゴージェンジェムという軍人大統領を傀儡とし、米軍は南ベトナムの政府軍を“支援”するという形式をとったが、この図式には初めから無理があった。なぜなら、ベトナムには100年戦争という外国の支配から逃れるための独立戦争の長い歴史があり、これも映画「アマン」に出てくるが、ベトナムの都市には中国人が多く、つまり、当初は中国との戦いで、第1次大戦の前からフランスが介入してきたのだ。その目的は、まず世界トップのゴム産業とラオス、カンボジアに繋がる山岳部での阿片生産にあった。いずれにしても、3代にわたり、独立戦争を続けてきたベトナムでは、南ベトナムの政府軍の軍人が夜になると実はゲリラだったり、現地の部隊に支給した新兵器が、夜にはゲリラ軍に渡っていたりと、さすがの米軍も当初から劣勢を続けていた。
 そして、いまのイラクと同じように、アメリカは各国に支援を要請した。当時の日本では無論、自民党政権が続いていたが、いくらなんでも小泉政権のような憲法の“超”拡大解釈をする人間はいなかったから、アメリカも「憲法9条」に手を触れることはしなかったのだ。この点は、戦後史を冷静に見て、社民党や共産党も、当時の岸、佐藤、中曽根辺りまでの政権の憲法意識と小泉以降は明確に違うのだということを、きちんと指摘しないと、現実の極悪さとパープリンさが“新しい”国民には伝わってこないだろう。そして、何よりも注目すべきは、当時の、日本の隣の韓国であった。韓国では長い間、軍事政権が続いたが、アメリカが提供するベトナム支援費用をあてにして、大量の軍隊を派遣したものである。ところが、ベトナムの解放戦争というものをまったく理解していなかった韓国人たちは、現地でまったく戦争を意識していなかった農耕作業中の農民を、まったく無差別に殺しまくって、何度も米軍の指揮官から注意を受けたほどである。南ベトナムのゲリラたちの方針は、自分たち本来の経済活動である農耕作業をしながら、適宜にゲリラとして戦うというものだったから、太陽が完全に上がって昼を迎えるころの、のどかな時間帯に、音もなしに忍び寄って波状攻撃をかければ、女、子供と老人しかいない村は、壊滅的な打撃を受けるのは当然だったのだ。つまり、戦争というのは兵と兵が、隊と隊が戦うものだという基本が、米軍にはあったのに、韓国軍には皆無だったから、韓国軍は早期に国へ帰された。しかし、ベトナム共産党は未来永劫にわたり韓国人を許さないと表明したが、金大中政権が一時、公式謝罪を表明、韓国人がベトナムに観光できない状況は回避されたものの、国内では野党の猛反論に合い、謝罪はいまだに果たされていない。ベトナム人が韓国人を許さないのは、参戦当時の日常的な強姦や現地妻による1万人以上の混血児の存在とも言われている。そして、重要なことは、もし、ベトナム戦争当時、日本で最近のような「憲法9条」の“超”拡大解釈が行われていたら、日本人だって現在の韓国人のような扱いを受けていたかもしれないということなのだ。
 世界の歴史というものは、偶然と偶然が重なり合って、時限爆弾のようなものが、襞の間に入り込み、意外な場所で爆発する可能性がある。だからこそ、国民的な心の中に残っているもの、捨てきれないものに対しては、こだわり続ける必要があるのかもしれない。たったひとりの、“ガイキチ”君主によって、いまだに世界のリーダーシップを与えられない国民が、ヨーロッパにはいるのだ。韓国と日本の国際的地位の違い、日本が経済力だけでなしにアジアで渡り合える理由というものを、心あるすべての日本人がもう一度噛みしめるべきではないだろうか。その意味では、安倍政権下でも、日本のイラク派遣を明確に批判し、同時に“核”を発見できなかった米軍の統治までを「失敗だ」と指摘した久間防衛大臣だけは、心あるサムライだと評価できよう。


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 野村證券  勝俣一生  永井  塚林弘樹  奥田 

拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々

勝木勇人・札幌市議のブログから削除された安倍晋三の発言
「拉致被害者の話になり(安倍晋三は)地村さんたちに、最初『とにかく一度北朝鮮に戻って、子供を連れて帰国するべきだ』という話をした。
しかし、地村さんたちは、この申し入れを断固拒否したそうです。『一度、戻ったら、二度と帰国はできない』ということだった。
『私(安倍晋三)他、政府の人間がたくさん同行すれば、変なことにはならないでしょう』と言うと、
『みんなで一緒に行っても、突然銃をもった者が部屋に入って来て、我々を引き離そうとしたら、どうしますか? 安倍さんたちは、その場で何ができますか?自衛隊も一緒に行ってくれるなら話は別ですが』と言われ、結局、彼らの言うとおりにした」


西尾幹二 「安倍晋三は戦後最悪の首相」「膿を出し切ると言ってるが自分が膿」「昭恵夫人は白痴」
遠藤誉 「晋型コロナ、パンデミックの真犯人は安倍晋三」 武藤正敏「新型コロナでも隠蔽、改竄、デマ拡散が横行する安倍政権」
安倍肺炎 韓国 安倍昭恵容疑者 消費税 パンデミック オーバーシュート 財務省 読売朝日毎日産経日経 DAPPI DAPPUN 安倍の下痢 アメリカ 中国

安倍晋三容疑者の隠蔽工作が裏目に出て、大都市中心に感染者が増えてしまう 全国各地で医療崩壊の危機!
検察庁法改正案 黒川弘務 アビガン レムデシビル 憲法改正 緊急事態宣言 mimandia300 ランサーズ 秋好陽介 捏造 犯罪 隠蔽 賄賂 安倍 武漢 研究所 トランプ
 日本中でコロナへの警戒が増す中、安倍昭恵がカルト組織(代表 松久正)と呑気に大分旅行  昭恵容疑者が新たな感染源になっているとの指摘も!

小川榮太郎が安倍首相のコロナ対策に苦言を呈する 「いいかげんにしろドケチ首相! 安倍晋三がただのバカだと分かった」
福家良太 「日本は検査するだけで医療崩壊するアフリカ並の後進国。 封じ込めに成功した韓国に検査をお願いしろ。 ランサーズに騙されるな、あいつらは安倍から金を貰ってる」
米政府関係者「検査妨害、コロナ肺炎死亡者数改竄、専用病棟建設拒否! 隠蔽 改竄の常習犯、安倍晋三容疑者のゴマカシ路線は事態を悪化させている。 我々が離れるとき日本は焦土化するだろう」


by  野村證券  勝俣一生  永井  塚林弘樹  奥田  (2020-05-13 19:08) 

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