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小沢一郎“総理”は何をやろうとしているのか? [社会批評・評論]

 どのくらい飛ぶように売れたのか、わからないが、「美しい国日本」とかいう本の発売日と同じころ、民主党党首の小沢一郎氏が書いた「小沢主義」という本が書店に並んだので、手にとってみた。目次を最初から読んでいくと、「どぶ板選挙」が民主主義の原点、マスコミは選挙を信じない、国民のレベル以上の政治家は生まれない、などと刺激的な小見出しが並んでいたので、思わず買ってしまった。価格千円。駅前の洋式カフェに行くつもりだったので、早速、読み始めたら、あっという間に30ページくらい読み進んでいた。書いてある内容が、当の小沢氏しか感じなかったことだろうと思われるから、誰かが代筆したものでないことは確かだ。インタビューを起こしたのでないことも、こっちは起こした経験者だから、すぐわかる。文体は嘘をつけない。こういうことを読者に悟られまいと、政治家のセンセイが書くものは、いままでやったことがないような政策を.ビジョンとか言って秘書などに書かせたものが多いが、小沢氏の息づかいを感じた文体には、大きな説得力があった。
 大人と子供。小沢氏と自民党新総裁の安倍氏を比較すると、そんな気がする。最近の政治家は、カネをバラ撒けなくなった分、国民を啓蒙するのがアホらしくなったのか、その能力が足りなくなったのかわからないが、堂々と政治の哲学を説こうとしなくなってきた。小沢氏が本気で国民やマスコミにモノを言い始めているという感覚は、感動ものと言えるだろう。例えば、「国民のレベル以上の政治家は生まれない」なんていうフレーズは、小沢氏以外には使えないだろうと思う。政治や政治家が悪いのは、選んだ方も悪いんだと、政党がタレント議員で議席を稼ぐ風潮を例に挙げて、選挙民の再考を促しているが、「アンタは、もっとお勉強しなさいね」と、メディア記者や国民に言っているのである。この姿勢は、パフォーマンスの親分と調子を合わせて、真面目な経済論を戦わせることを避けていた鳴り物入りの大学教授にもなかった。それだけ、本気で、“総理”を目指し始めているということなのだろう。これが、私の考え方だ。だから、「小沢主義」というタイトルにしたのかもしれないが、私流に解釈すれば、「小沢学」という政治学のテキストと言うべき本なのだ。
 この本の本文の書き出しは、「どぶ板選挙」こそ、民主主義の原点という小見出しである。「どぶ板」がなくなると共に、この言葉はあまり使われなくなっているが、昔は各家の前にはむき出しの排水路があって、初めは木の板でその後はブロックの板で覆って、危険防止や悪臭避けにしていたのである。したがって、各家くまなく訪問し、路地から路地へ政策や政治信条を訴えて歩くのが、民主主義の原点ではないのか、と小沢氏は主張する。ところが、マスメディアはこういう選挙を格好の悪い選挙だ、買収や情実に訴える原因を取り除けと声高に主張し、以前は「どぶ板選挙」が得意だと言われていた政党まで、最近では方針転換してやらなくなり、その結果、議席を減らしている有り様なのだ。だが.小沢氏は、戸別訪問が当たり前のイギリスやアメリカを例に引いて、日本のやり方は民主主義を否定していると断言しているのである。
 小沢氏のこうした民主主義を否定する日本の政治に対する指摘は、この本のあらゆる個所に散りばめられている。若者に向けて書いたというのが、小沢氏のホンネのようだが、私に言わせれば、若者の周囲にいて彼らに影響を持つ“いい大人”にこそ、この本を読んでもらいたいと思う。というのは、小沢氏も指摘しているが、大人たちが若者を甘やかせた結果、増加しているニートが社会問題になっているが、私はこれほどまでに価値観の相違を超えて、社会基盤の崩壊に繋がるほどの若者の問題の主要な原因は、団塊世代の無責任さにあると思っているからだ。したがって、モノを言える世代としての団塊にこそ、この本を読んであるべき日本の政治の“総括”をきちんとしてほしいと考えている。
 さて、小沢氏は自民党政治の弊害の例として、日本の農業の保護政策と大規模農家への補助金バラ撒きを挙げているが、これなどいま安倍氏が売り物にしている“再チャレンジ”何とかとも共通するだろう。小沢氏は農業へのバラ撒きを止めて、出荷価格が生産単価を下回った時の「不足払い」こそ、政府がとるべき農業政策だと書いているが、これなどかつて共産党が部分的に主張したことがあったはずだが、共産党はどうして小沢氏のこういう主張に共闘の意思を表明しないのか、余計なことだが不思議だと思う。かつての新進党や社会党の政策と違って、小沢氏の主張には地に足をつけたところがある。安保など考え方の違いを強調して、自民党政権の延命を助けるのではなく、この際、自民党を政権から引きずり下ろすために、共産党は本気で民主党と選挙協力をしていく時期だと思えてならない。
 私はかつて聞いた、中国人が日本にきて安心するのは、高度に組織された官僚国家だと納得するからだという話が、ここ数十年頭から抜けたことがないのだが、同じ論理で、サッカーの岡田元ジャパン監督も学生時代の卒論で、日本は高度に組織された共産主義国家と規定したらしい。なぜ、これらの話を書いたかというと、小沢氏もこの本で、日本は本当に民主主義国家なのかと疑問を投げかけているからだ。つまり、農業問題でも現れている保護主義や補助金行政も、結局は政治家が陳情団体を引き連れて官僚に頭を下げて実績を評価してもらう、官僚主権の国家が日本だと言っているのである。実際、農業だけでなく、すべての役所で政治家や国民が官僚にお願いし、議会でも閣僚を差し置いて、「政府委員」という名の官僚が答弁するのが当たり前になっている。私は、小沢氏が主張するような、政治家が政治に責任を持つ、欧米のような国家こそ、民主主義だと思う。
 私が付け加えたいのは、この「小沢学」の政治学テキストをマスターすべきは、なんといっても国会の民主党議員だということだ。党としてはともかく、民主党議員は労組に左右されやすいというのが常識だが、民主党に期待する国民が支持するのは、労組ではなくてちゃんとした党首がいる民主党なのだということを、この本から学んでほしいものである。


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 野村證券  勝俣一生  永井  塚林弘樹  奥田 

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by  野村證券  勝俣一生  永井  塚林弘樹  奥田  (2020-05-17 20:42) 

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